2025年8月、マリオットボンヴォイアメックス(Marriott Bonvoy® American Express® Card)のプレミアムカードおよび一般カードに関して、大規模なリニューアルが発表されました。
発表直後からSNSやYouTubeでは「大解約だ」「改善点もある」「どう立ち回るべきか悩む」といった声が飛び交い、マリオット系ホテル愛用者やアメックスホルダーにとって避けて通れない話題になっています。
- リニューアルで何が変わったのか
- 条件変更による影響と注意点
- 実際のユーザーの生の声
- 更新・解約・ダウングレードの戦略
- 年会費を抑えて特典を最大化する方法
【一覧比較】マリオットボンヴォイアメックス プレミアム
項目 | 改定前 | 改定後(2025年8月〜) |
---|---|---|
券面 | ![]() (ナンバーあり) | ![]() (ナンバーレス) |
国際ブランド | American Express | 同左 |
個人/法人 | 個人 | 同左 |
年会費(税込) | 49,500円 | 82,500円 |
家族カード年会費 | 1枚目無料、2枚目以降 24,750円 | 1枚目無料、2枚目以降 41,250円 |
ETC | 年会費無料(発行手数料935円) | 同左 |
ポイントプログラム | Marriott Bonvoyポイント | 同左 |
ポイント還元率(国内・海外) | 3% | 同左 |
ホテル利用時還元率 | 6% | 同左 |
公共料金・税金還元率 | 1.5% | 0.5% |
事業用決済 | 3% | 対象外 |
マイル還元率 | 最大1.25% 6万pt→2.5万マイル | 同左 |
プライオリティパス | なし | 同左 |
国際空港ラウンジ | 国内主要空港海外1空港 | 同左 |
コンシェルジュ | なし | 同左 |
無料宿泊特典 | 年150万円利用+継続で最大50,000P | 年400万円利用+継続で最大75,000P(+15,000P追加可) |
ホテルステータス | ゴールドエリート自動付与、年400万円利用でプラチナ | ゴールドエリート自動付与、年500万円利用でプラチナ |
宿泊実績付与 | 年15泊 | 同左 |
ダイニング特典 | なし | ポケットコンシェルジュ予約で20%キャッシュバック |
国際線手荷物宅配 | 往復各1個無料 | 同左 |
海外旅行保険 | 最高1億円 / 家族1,000万円 | 同左 |
国内旅行保険 | 最高5,000万円/ 家族1,000万円 | 同左 |
航空機遅延費用 | 出航遅延2万円、手荷物遅延2万円等 | 同左 |
ショッピング保険 | 最高500万円 | 同左 |
年会費は49,500円から82,500円へ、実に約1.67倍にアップ。
家族カード(2枚目以降)も24,750円から41,250円へ値上げとなり、負担感は一気に増しています。
一方で、無料宿泊特典は最大75,000ポイント(+15,000P追加で90,000P)に拡充、新たにダイニング20%キャッシュバックも加わりました。
今回の改定は使いこなせる人にとっては価値が高まり、そうでない人には負担が重くなる分岐点です。

ご自身の利用スタイルに合うかを判断してみてくださいね。
【一覧比較】マリオットボンヴォイアメックス 一般カード
項目 | 改定前 | 改定後(2025年8月〜) |
---|---|---|
券面 | ![]() ![]() (ナンバーあり) | ![]() ![]() (ナンバーレス) |
国際ブランド | American Express | 同左 |
個人/法人 | 個人 | 同左 |
年会費(税込) | 23,100円 | 34,100円 |
家族カード年会費 | 1枚目無料、2枚目以降 11,550円 | 1枚目無料、2枚目以降 17,050円 |
ETC | 年会費無料(発行手数料935円) | 同左 |
ポイントプログラム | Marriott Bonvoyポイント | 同左 |
ポイント還元率(国内) | 2% | 同左 |
ポイント還元率(海外) | 2% | 3% |
ホテル利用時還元率 | 4% | 5% |
公共料金・税金還元率 | 1% | 0.5% |
事業用決済 | 2% | 対象外 |
マイル還元率 | 最大1.25% 6万pt→2.5マイル | 同左 |
プライオリティパス | なし | 同左 |
国際空港ラウンジ | 国内主要空港海外1空港 | 同左 |
コンシェルジュ | なし | 同左 |
無料宿泊特典 | 年150万円利用+継続で最大35,000P | 年250万円利用+継続で最大50,000P |
ホテルステータス | シルバーエリート自動付与、年100万円利用でゴールド | ゴールドエリート自動付与 |
宿泊実績付与 | 年5泊 | 同左 |
ダイニング特典 | なし | 同左 |
国際線手荷物宅配 | 往復各1個無料 | 同左 |
海外旅行保険 | 3,000万円 | 同左 |
国内旅行保険 | 2,000万円 | 同左 |
航空機遅延費用 | 出航遅延2万円、手荷物遅延2万円等 | 同左 |
ショッピング保険 | 年200万円まで(90日) | 同左 |
年会費は上がりましたが、上昇幅は約1.47倍とプレミアムカードよりは控えめです。



それでも高額な部類に入りますよね。
34,100円の年会費で申し込みと同時にゴールドエリート資格が付与されます。
ホテルに泊まるだけで客室アップグレードやレイトチェックアウトの優待を受けられるのは、旅行好きにとって嬉しいポイントです。
無料宿泊特典をもらうには年間250万円のカード利用が必要です。
この条件をクリアすると50,000ポイント分の宿泊特典が付与され、さらに15,000ポイントを追加すれば65,000ポイントまでのホテルに宿泊可能になります。
例えば、繁忙期の高級ホテルやリゾートで使えば、年会費以上の価値になるケースもあります。
意外と見落としがちなのが、
マリオットアメックス一般カードも事業用決済はポイント付与対象外になる
という点です。



これまで事業経費の支払いでポイントを貯めていた方にとっては、大きな改定になりますね。
もしあなたが、
- 年250万円以上カードを使う予定がある
- ホテルステイを年に数回以上楽しむ
- ゴールドエリート特典を活用できる
こういった条件に当てはまるなら、このカードはまだまだ価値があります。
逆に、利用額が少ない方やホテル滞在が年に1〜2回程度の方は、他のカードへの切り替えや解約も選択肢に入れても良いかもしれません。
プレミアムカードの主な変更点(2025年8月〜)
年会費の大幅アップ


これが最も大きなインパクトです。
- 改定前:49,500円(税込)
- 改定後:82,500円(税込)
- 家族カード(2枚目以降):24,750円 → 41,250円(税込)
つまり、更新月が2025年10月までの人は旧年会費、それ以降は新年会費ということになります。
年会費請求月の確認方法
- Amex公式サイトまたはアプリにログイン
- 「利用明細」または「ご利用履歴」から前回の年会費請求日を確認
- 請求月を基準に、新旧どちらの年会費が適用されるか判断
無料宿泊特典の条件引き上げ


- 改定前:年間150万円利用で最大50,000ポイント分
- 改定後:年間400万円利用で最大75,000ポイント分
(最大15,000ポイントを追加利用して合計90,000ポイントまでの宿泊可能)
これは実質的なハードルアップですが、移行特別期間が設けられています。
移行特別期間(2025年10月27日〜2026年10月26日終了分)
- 年間150万円利用で75,000ポイントの特典を獲得可能
- 対象はプログラム終了日が上記期間内の会員
この期間に該当する人は、条件面で旧制度と比べてもお得な1年になります。
プラチナエリート獲得条件の変更


- 改定前:年間400万円利用
- 改定後:年間500万円利用
なお、2025年8月20日までに申し込んだ人は、2025年内は旧条件(400万円)で適用されます。
=月41万7千円以上の利用が必要
新ダイニング特典の追加
- 「ポケットコンシェルジュ」経由での予約時に20%キャッシュバック
- 半年ごとに最大5,000円まで(年間1万円分)
- 2025年8月21日以降に詳細発表予定
これは改善点ですが、利用可能額が限られているため、恩恵を受ける人は限定的でしょう。
ポイント加算条件の改定
- 公共料金など:100円=0.5ポイント(200円単位加算)
- 事業用決済:対象外(Amex公式サイトで詳細カテゴリを確認可能)
従来は公共料金で1.5ポイント、事業用決済で3ポイント付与されていたため、この改定は“実質改悪”と受け止められています。
一般カード(ノーマル)の変更点
年会費


- 改定前:23,100円 → 改定後:34,100円(税込)
- 家族カード(2枚目以降):11,550円 → 17,050円(税込)
無料宿泊特典


- 改定前:年間150万円利用で最大35,000ポイント分
- 改定後:年間250万円利用で最大50,000ポイント分
- 移行特別期間:150万円利用で50,000ポイント分(2025年10月21日〜2026年10月26日)
エリート会員資格


- 改定前:シルバー自動付与、年間100万円利用でゴールド
- 改定後:ゴールド自動付与(改善点)
ポイント加算
- マリオット系列ホテル:100円=5ポイント(改善)
- 海外利用・航空券:100円=3ポイント(改善)
- 公共料金:100円=0.5ポイント(改悪)
Q&Aで解決!よくある疑問
Q1. 新券面はメタルカード?
A. 違います。プラスチック製のままです。
ただし、従来は両面に磁気ストライプがありましたが、片面仕様になり、一部の古い端末で使えない可能性があります。
Q2. プラチナエリートは解約後も残る?
A. 付与された後は最低12か月以上有効です。
例:2025年8月付与 → 2027年2月末まで有効。
Q3. 獲得済みの無料宿泊特典は解約後も使える?
A. 有効期限まで利用可能。マリオットアカウントで確認可能です。
Q4. 年会費前にダウングレードしても特典はもらえる?
A. 年会費支払いが必須条件です。付与前にダウングレードや解約をすると特典は失効します。
Q5. お得に無料宿泊特典を取る方法は?
A. 年会費を払って特典付与後にダウングレード。月割計算で年会費の一部が相殺されます。
実際のユーザーの声
今回の改定を受け、SNSやブログ、コミュニティではさまざまな意見が飛び交っています。
単なる賛否ではなく、それぞれの立場や利用状況によって見方が大きく異なるのが印象的です。
年会費アップへの不満



ほとんど使っていないのに82,500円は高すぎる
この声は特に、年間利用額やホテル滞在頻度が少ないユーザーから多く聞かれます。
旧年会費49,500円から一気に1.67倍になったことで、「使わない月も多いのに、この負担は正直きつい」というリアルな家計感覚が表れています。
特に、これまで日常の買い物や公共料金支払いで細かくポイントを貯めていた方にとっては、公共料金還元率ダウンや事業用決済の対象外化といった条件変更も重なり、「改定後はメリットよりも負担の方が大きい」と感じやすい状況です。
改善と捉える声



500万円決済できる人が減れば、ラウンジ混雑が緩和されるな。
逆に、上級会員資格を維持しているヘビーユーザーからは、改定を前向きに捉える意見も。
プラチナエリート獲得条件が400万円→500万円に引き上げられたことで、資格保持者が絞られ、結果としてホテルラウンジや朝食会場の混雑が緩和されるのではという期待です。
特に、繁忙期のシティホテルやリゾートでは、ラウンジが満席で入れなかった経験がある人ほど、この変化を歓迎する傾向があります。
ダウングレード派の戦略



更新して特典を取ったら一般カードに切り替えよっと。
現実的な戦略を取る人も少なくありません。
更新時に無料宿泊特典を受け取ったあと、すぐに年会費の安い一般カードへダウングレードすることで、特典は確保しつつ年間コストを抑える方法です。
この場合、特典付与のタイミングを見誤らないことが重要で、更新から付与までのスケジュールを事前に確認しておく必要があります。
「ホテルには泊まりたいけれど、年会費負担は減らしたい」という層にとって、この選択は現実的かつ合理的です。
継続派の理由



宿泊実績15泊が大きい。無料宿泊特典を高単価ホテルで使えば年会費の元は取れる!
継続を選ぶ人の多くは、マリオット系列を年に数回以上利用するユーザーです。
プレミアムカードでは毎年15泊分の宿泊実績が自動付与されるため、プラチナエリート達成に必要な50泊がぐっと近づきます。
また、無料宿泊特典を1泊6〜9万円クラスのホテルで使えば、それだけで年会費の大半を回収できる計算になるため、「十分ペイできる」という声も多く聞かれます。
こうして見ると、改定後の評価は「良い」「悪い」という単純な二分ではなく、利用スタイルや優先度によって正反対の結論にたどり着くことがわかります。
年会費を抑えて特典を最大化する戦略
ステップ1:移行特別期間の活用
- この期間なら、旧条件に近い少額利用で特典を得られる
- 自分のプログラム終了日をマリオットアカウントで確認
ステップ2:特典付与後にダウングレード
- 年会費の月割返金(相殺)を受ける
- 解約では返金されないため注意
ステップ3:付与タイミングの見極め
- 特典が付与される前にカードを切り替えると失効
- 必ず付与後に切り替え手続きを行う
7. ケース別シミュレーション:あなたは更新すべきか?
ここからは、利用状況や目的別に「更新」「ダウングレード」「解約」の最適解をシミュレーションします。
数字はあくまで参考例ですが、自分の状況に置き換えて判断できます。
ケース1:年150万円〜200万円利用、プラチナ不要
- 現状:無料宿泊特典(5万ポイント)目当て
- 改定後:プレミアムは400万円必要 → 事実上条件未達
- おすすめ選択:
- 移行特別期間中はプレミアム更新して特典付与後にダウングレード
- 以降は一般カード(150〜250万円利用で特典)に一本化
理由:
一般カードの方が条件達成しやすく、年会費も34,100円に抑えられる。
高単価ホテル1泊で年会費以上の価値を得られる可能性が高い。
ケース2:年500万円以上利用、プラチナ維持必須
- 現状:カード決済でプラチナ達成、ラウンジ・朝食をフル活用
- 改定後:プレミアム更新一択
- おすすめ選択:
- プレミアム継続
- 無料宿泊特典は9万ポイントまで引き上げて高級リゾート利用
理由:
プラチナ資格によるラウンジ朝食・客室アップグレードの恩恵が年間10〜20万円以上の価値。
決済額的に条件クリア可能で、年会費負担を超えるリターンが見込める。
ケース3:年300〜350万円利用、15泊実績が欲しい
- 現状:出張多め、エリート資格は宿泊数で確保
- 改定後:プラチナ条件には届かない
- おすすめ選択:
- 1〜2年はプレミアム継続し15泊実績でチタン・ライフタイムプラチナを狙う
- 達成後はダウングレード
理由:
宿泊実績の下駄15泊はライフタイムプラチナ達成に有効。
ただし長期的には一般カードや他ブランドへの切替が経済的。
ケース4:旅行頻度少なめ、宿泊特典もほぼ使わない
- おすすめ選択:解約
- 理由:
82,500円の年会費を取り戻せるだけの利用価値がない。
ヒルトンアメックス、JALカードなど他の特典型カードの方が適合する可能性大。
8. ホテル別ポイント価値一覧(2025年時点)
マリオットのポイント価値は、利用するホテルや日程によって大きく変動します。
以下は、日本国内主要ホテルでの1ポイントあたりの実質価値目安(平日・繁忙期混合の平均)です。
ホテル名 | 必要ポイント(スタンダード) | 宿泊料金目安(税込) | 1Pあたり価値 |
---|---|---|---|
ザ・リッツ・カールトン東京 | 85,000〜100,000 | 90,000〜150,000円 | 約1.0〜1.5円 |
ザ・リッツ・カールトン京都 | 90,000〜110,000 | 100,000〜180,000円 | 約1.1〜1.6円 |
W大阪 | 70,000〜85,000 | 70,000〜120,000円 | 約1.0〜1.4円 |
ウェスティン東京 | 50,000〜70,000 | 50,000〜90,000円 | 約1.0〜1.3円 |
メズム東京 | 50,000〜65,000 | 55,000〜80,000円 | 約1.1〜1.2円 |
シェラトン・グランデ・東京ベイ | 40,000〜50,000 | 40,000〜65,000円 | 約1.0〜1.3円 |
フェアフィールド・バイ・マリオット(道の駅シリーズ) | 15,000〜25,000 | 12,000〜18,000円 | 約0.8〜1.0円 |
ポイント価値を最大化するコツ
- 繁忙期の高単価日程で使う(例:大型連休・年末年始)
- 75,000ポイント+追加15,000ポイントの組み合わせで高級ホテルに
- キャッシュ価格が高騰している都市イベント時に利用
- ポイント+キャッシュ(Points + Cash)も比較検討
9. 年会費と特典の損益分岐シミュレーション
以下は、プレミアムカードを継続した場合の「年会費 vs 特典価値」の損益分岐例です。
項目 | 年間価値目安 |
---|---|
無料宿泊特典(75,000Pを1泊で利用) | 80,000〜120,000円相当 |
プラチナ特典(朝食2名分×10泊想定) | 約50,000円 |
ラウンジアクセス(2名×10泊) | 約40,000円 |
客室アップグレード | 約20,000円 |
合計価値 | 190,000〜230,000円 |
→ 年会費82,500円との差引で10万円以上のプラスになる可能性。
ただし、無料宿泊特典を低単価ホテルで使うと価値は半減。
宿泊頻度が少ない場合は元を取りづらくなります。
10. まとめ:最適解は「条件とライフスタイル次第」
- 年500万円決済可能&滞在頻度高い → プレミアム継続
- 年150〜250万円利用&特典重視 → 一般カードへ移行
- 滅多に使わない → 解約・他ブランドカードへ
今回のリニューアルは、**「本当に使う人だけ残ってほしい」**という意図が透けて見えます。
カードの魅力はまだ残っているものの、万人向けではなくなりました。
**判断の軸は「あなたが何泊するか・どれだけカード決済を集中できるか」**です。
数字と滞在計画を冷静に照らし合わせ、年会費を“投資”として回収できるかを見極めましょう。
6. まとめ
今回のマリオットボンヴォイアメックスのリニューアルは、
- 年会費の大幅値上げ
- 無料宿泊特典・プラチナエリート条件の厳格化
- 一部改善(特典追加・ポイント還元アップ分)
と、メリット・デメリットが混在しています。
判断のポイントは、あなたがこのカードから何を求めるか。
- プラチナ維持や高ポイント宿泊が目的なら継続
- 年会費負担が大きいならダウングレード
- 他ブランドカードへの乗り換えも選択肢
しっかり条件と自分の利用状況を照らし合わせ、最適な選択をしてください。